ネットワークエンジニア

【就活生・転職を考えている方必見!】”ネットワークエンジニア”という職業やその内容

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“エンジニア募集!”
このような就職活動・転職活動の文言を見かけたことはございませんか?

「興味はあるけどどんな仕事かわからない」
「自分にもできるのか?」など不安で不明な部分が多い職業ですが、今回「ネットワークエンジニア」という職業についてできるだけわかりやすく説明したいと思います。


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コンピュータが個人で使用されるようになってから今日まで、いまだにIT業界は日々進化しています。
IoT・AI・クラウドなど、新しい技術を目にする機会も多くなったかと思います。

その中で”ネットワーク”という分野があります。
ネットワークエンジニアとしてIT業界を経験している筆者が、どんな仕事をするのか、ご紹介していきます。

就活・転職で悩んでる方に何らかの参考になればと思います!

“ネットワーク”の位置づけ


そもそも、IT業界はとてつもなく広くたくさんの分野で分かれています。
アプリケーションやサーバなど、様々な分野の中にネットワーク分野があります。

コンピュータを扱う人間が最初に勉強するものとして、「OSI参照モデル」というものがあります。
以下の図をご覧ください。

OSI参照モデル

上図の通り、コンピュータ技術は大きく分けて7つの層に分かれております。
ネットワークエンジニアは、基本的には下から3つまでの「物理層」「データリンク層」「ネットワーク層」部分を専門にしている人たちのことを指します。(トランスポート層までを指す場合もございます)

ネットワークの役割


ネットワークはサーバやアプリケーションを繋ぐ”道路“の役割をします。

LANケーブルや光ファイバーといった線を機械間で繋ぎ、ルータやL2SW、ファイアウォールといった機械で通信の道しるべを作ってあげるのがネットワークエンジニアのお仕事になります。

皆さんがインターネットを使うときに「モデム」や「ルータ」、「ハブ」などを設置しているかと思いますが、これらの企業用の機械を使用して各拠点間や、社員のタブレットやPCなどの端末を制御するのがネットワークエンジニアの基本的な仕事になります。

ネットワークエンジニアの役割分担


ネットワークエンジニアの仕事は、各工程に則って進められます。


上記はネットワークエンジニアたちの基本的な役割分担を図にしたものです。
業界内では一番上流(要件定義)が難しく、下流に向かうにつれて簡単になるといわれております。

ネットワークエンジニアの仕事内容


ネットワークエンジニアの仕事は、ネットワーク分野単体では成り立ちません。
顧客が持っているシステム(サーバやアプリケーション)の新設や構成の変更、新規の接続先の追加などが発生した際にネットワークの仕事も発生します。

監視・運用


ネットワークエンジニアとして就職したときには、(会社にもよりますが)24時間365日で稼働する監視業務に配属されることが多いです。

監視業務は2~3交代制でシフトを組まれており、日々人間を交代しながら機械や回線の状態を見続けるフェーズです。
監視業務の人たちは、機械の故障など問題が起きた場合、上の工程である”運用”の人へ連絡(エスカレーション)をします。
このエスカレーションは昼夜問わず実施されるため、運用フェーズの人間も深夜に仕事をする可能性は出てきます。
また、この工程の人たちは即座に故障などの原因の究明が求めらえるため、機器の構成や特徴などを頭に入れておく必要があります。

監視と運用は密接な関係にあるのでまとめて「運用監視」と言われることもございます。
また、運用監視は定例業務をこなすことが多く、単純な事務作業やお客様への対面での月次報告などが得意な人達に向いていると言えるかと思います。

要件定義・設計・構築


要件定義・設計・構築の3つの工程は、ネットワーク分野の中での”上流工程“と呼ばれております。
基本的に上流工程につく人は、ルータやファイアウォールといった機器のエキスパートである必要があります。

また、顧客や他分野のエンジニアと設定の調整などが必要になる場面も多いため、高い調整能力やコミュニケーション能力も必要になります。

世間の想像するエンジニアと言えば無口で一日中パソコンの黒い画面に向かって何か知らのコマンドを売っているイメージが強いかと思います。
しかし実際は、Excelなどのofficeソフトを使って資料を作成したり、チームメンバーとの会話で課題をこなしていく人たちです。

また、PM(プロジェクトマネージャー)と呼ばれる、案件を統括人もこの要件定義や設計工程から選出されることが多い傾向にあります。

これからネットワークエンジニアの仕事に興味がある方、ネットワークエンジニアの会社に就職する方はイメージとのギャップに気を付けてください。

ネットワークエンジニアが就く会社

SIer


SIerとは、企業からIT関連の案件を受注し、自社で開発案件などを行う企業を指します。
大手のSIer企業は、金融機関やメーカーなど、日本を代表する会社などからの依頼もあり、経済の中心をネットワークの基幹部分から支えることができます。

また、大手のSIer企業は上流工程を担うことが多いです。上流工程の中でもプロジェクトを管理する立場の人間はSIer企業、それ以外のエンジニアは外注することが多く、構築が完了した後の運用監視部分も多くは外注でまかなわれます。

SES企業(システムエンジニアリングサービス)


SES企業とは、前述した大手SIerなどへエンジニアを送り込む企業です。
俗にいう派遣会社とは違い、エンジニアたちはSES企業の正社員になります。
そして、エンジニアたちは基本的に「客先常駐」という形で、自社とは別のロケーションである契約先の会社で仕事をします
自社と契約先の企業とでは、「派遣契約」や「業務委託」「準委任契約」といった形態の契約を結び、それぞれの指揮命令系統に合ったところからふられた仕事をこなしていきます。

SIerなどから委託を受け、監視業務や運用業務などの外注対象となる会社がこのSES企業になることが多いです。

しかし、開発案件で人が足りないときなどは、設計や構築工程でも外注があるため、エンジニアとしての技術力としては高いレベルを求められる場面もあります。

様々な企業のIT課(システム課)


ある程度の規模の会社となると、様々なシステムはITにより管理されており、会社の大きさや事業規模とIT課の人口・重要性は比例していきます。
総合職で入社してIT課に配属された、という話もよく聞きますが、学生時代に情報を専攻していたり、自主的に勉強している人間はIT課へ配属されやすいのは間違いないはずです。

また、社内システムを管理しているIT課はよく、楽な仕事だ、という話をする方がいますが、少なくとも筆者が関わりのあるIT課の人たちは毎日それなりに忙しそうにしていました。

金融系のIT課に関しては、莫大な顧客情報や資産情報などを一元的に管理する立場にもなりうるため、大変重要な職務になるということを念頭に置いて就活をする必要がございます。

フリーランス

最初はどこかの企業に属して技術を学び、そこで得た知識や人脈を使って企業から個人で直接仕事をもらうのが「フリーランス」というものになります。
現在は各就活サイトでも、企業とフリーランスを結んでくれたりと、個人でもエンジニアとしての仕事がしやすい世の中になっていると感じます。
フリーランスは個人事業主として活動することが多いため、税金の申請などもすべて自分で処理をする必要があるというデメリットがあります。しかし、自分のやりたい技術の仕事を選別できたり、企業からの中抜きがない分収入が大きくなったりといったメリットもあります。

メーカー

ネットワークエンジニアは様々な機器を扱う職業ですが、その機器たちも色々なメーカーによって作られています。
メーカー勤務のエンジニアは、自社で作っている機器に関するエキスパートとして活動する人たちです。
自社の製品を導入している会社からの機能についての質問に回答したり、時には会社に常駐してネットワークを作り上げたりと、高い技術力や顧客との対話力が求められます。

ベンダー

IT未経験の人はあまり聞きなれない職業かもしれません。
ベンダー企業は、ユーザーへ機器を卸したり、その卸した機器の保守(故障した際の交換対応)などを行ったりします。
また、ユーザーに対するヘルプデスク対応も行い、機器の故障対応や、様々メーカー機器の不明な機能についての回答を行わなければなりません。
また、ベンダーはメーカーから依頼を受けて機器を一定数売ったりする必要があったりと、マルチな活動をする必要があります。
メーカーもユーザーも顧客となりうる立場のため、激務となることもありますが、その分高い技術やコミュニケーション能力が身につくかと思われます。

ネットワークエンジニアの一日

自分がエンジニアになったときどんなスケジュールをこなすのか、SIerやそこに常駐しているエンジニアの一日を見てみましょう。

気になるところを解説していきましょう。
・スケジュールの確認
 ネットワーク構成の変更、新たな機器の導入は緻密はスケジュール管理によって進行されていきます。遅れが出ていないかなど、スケジュールの把握は必須事項です。

・作業資料作成
 設定の変更など、ユーザー利用のシステムに変更が加わる作業は、エンジニアの仕事の中でも大きなイベントです。
エンジニアの仕事というと、黒い画面でコマンドを打ち込むイメージが強いかと思いますが、ネットワークエンジニアに関しては、設定を変更するための準備としてパラメーターシートと呼ばれる機器の設定を資料化したものを整備したりといった事務作業系が仕事の比重としては大きいかと思います。

・ユーザーへの作業説明資料作成
 各企業のIT課の方たちは、あまり情報技術に詳しくない方が多いです。もちろん詳しい人も中にはいますが、サーバ・アプリケーションなど他分野も管理する立場のIT課の人が、ネットワーク知識も全て網羅できているとは限りません。
そういった人たちにもわかりやすくどんな作業をするのか説明する行為は、ユーザーから仕事を受注しているエンジニアとして避けて通れない行動なのです。

・ユーザーとの打ち合わせ
 電話会議やテレビ会議が発達している現在でも、対面での打ち合わせはまだまだなくなりません。
PowerPointやExcelを用いてお客さんと資料を確認しながらの打ち合わせをして、ユーザーの要望を抜けなく設定に反映させるために綿密な話し合いを行います。

上記のスケジュールはSIerおよびそこに常駐しているエンジニアの一日です。
SES企業の社員はこれらに加えて業語に自社での研修や面談が入ることもあります。

【入社前に確認しよう!】ネットワークエンジニアになる際の注意点


ネットワークエンジニアになる前に注意する点や確認しておいたほうがいい点があります。
自分は本当にこの職業につけるのか事前に自分自身に問いかけてみましょう。

①土日出勤がある
 ユーザーは土日休みであることが多いため、大きな機器の設定変更などは土日に行うことが多いです。もしユーザーネットワークが止まってしまう失敗をしても、ユーザー業務に影響を出さないためです。
休日出勤手当や代休が発生するため、入社前にこれらがきちんと取得できるのか、できる限り確認することを推奨します。
また、自分が休日出勤する可能性についても理解しておきましょう。

②深夜に業務する可能性
 ユーザーが金融機関などの場合、昼間は土日と言えど様々なシステムが稼働している可能性があります。
そのため、設定作業などは深夜帯に行われることも多々あります。
自分が深夜に頭をフル回転させられるか、自分自身に問いかけてみましょう。

③急な稼働の発生
 一般的に、日本のエンジニアは激務との認識があるかと思います。確かに毎日残業している人も中にはいますが、基本的に定時で帰宅できる人もいます。
では、どんな時に残業が発生して激務となってしまうのか、それは急な稼働の発生によるものです。
急な稼働とは、運用フェーズのエンジニアの場合、顧客の機器が故障して、急ぎの故障対応が必要になったり、悪質なウイルスを検知してユーザー対応を行ったりということで帰れなくなることを指します。
設計・構築フェーズのエンジニアの場合、大規模なネットワークを作り上げている際、スケジュールに遅れが出てそれを取り戻したり、ユーザー要望が急に変わるなどして設定内容や資料に大幅な変更が発生した場合に稼働時間が増大します。

これらはエンジニアとして働く際、避けては通れないことと言っても過言ではありません。残業が続いてもきちんと残業代を支給してくれる会社か、働きすぎた分を別日に休日として当ててくれる会社かを見極めて就職活動を行ってください。

さいごに

日本全体で労働力が不足している現在、ネットワークエンジニアという職業も例外ではありません。
世界のIT技術を支えているインフラ部分を担っているネットワーク技術者はおそらく今後もなくなることはないでしょう。
そこで、技術力を身に着け、手に職をつけて自分のキャリアプランを構築しやすいネットワークエンジニアはなかなか魅力的だとは思いませんか?
魅力的だと感じた方はぜひ、ネットワークエンジニアとして働くことも候補の一つとしていただければと思います。

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