ビール

【意外と知らない?】ビールの基礎知識

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 ビールは世界で最も飲まれているアルコール飲料であるにも関わらず、その本質についてよく知っている人は少ないという矛盾が存在します。

飲むのは好きだけど…という人はより好きになり、
あまり好きじゃない…という人は、
ビールのことをよく知ったら、もしかしたら好きになるかもしれません。

ビールの定義


■なぜ法律で定められているのか
 法律で定めるのはやりすぎ感があるかもしれませんが、かつては
のどの渇きを促進するために塩を入れたり、
コストを下げるために低品質の穀物を使用したり、
酔いを早めるために精神に異常をきたすような植物を添加する悪質な業者がたくさんいました。

ビールはその国の法律の定義によって異なりますが、今では世界中に広く普及しているアルコール飲料となっております。


ビール職人(ブルワー)のお仕事


 現在では、ウェブサイトや専門書などを使って独学で知識を取得し、アマチュアブルワーとして活動している人もいますが、
基本的には農業食品分野の技術者養成課程を経て、ブルワーとしての経歴を始める人が多いです。

■ブルワーの仕事とは
 ビールのレシピを作るのが、最も大切な仕事とされております。

・モルト(麦芽)と穀物の比率を何パターンか設定
・(必要に応じて)水を磨く※水の高度を調整すること
・ホップの選定とその配合量の決定
・作るビールにある酵母の決定
・試作してから大量生産

現代のブルワーには、あらかじめ選定された成分で、ビールの一時特性を精密に設定することができるソフトウェアが存在します。

■ビールの仕込みだけがブルワーの仕事ではない
 
ブルワーは職人の仕事だけではなく、ビール工房を経営していくための一般的な事務仕事や、税関事務所との諸々の手続きもこなしていかなければならない。

ビールはお酒なので、酒税を払うために生成されたアルコールの分量を正確に測り、それを申告する必要があるのです。

さらにこれらに加え、原料の調達や商品の配送などの営業していくうえでの計画を立てるのも、ブルワーの仕事になります。


ビール作りに必要な材料

■モルト
 ビールの主原料である『モルト』。
モルトは日本語表記で『麦芽』です。
モルトはビールの味や香りの決め手となる材料です。

大麦を発芽させてモルトを作る工程を製麦工程といいます。
小麦など他の穀物も製麦することはできるのですが、大麦以外の穀物は製麦工程の途中で穀皮が剥がれ落ちてしまうため、濾過しにくいという理由から、主に大麦がビールに使用されます。


■穀物
 ビールを構成する成分のうち、水の次に多い成分が穀物です。
ワインでいうと、ぶどうの部分です。
下のコラムで各種穀物の説明をしていますので、よければご覧ください。


■ホップ
 ホップが何か説明できる人はそう多くないはず。
何者かわからないまま飲むより、少しでも理解して飲む方がよりおいしく感じるはず。

まず、ビールと言えば麦と『ホップ』のイメージですが、ホップの配合量はごくごくわずかです。

ホップとはアサ科の多年生の蔓性の植物です。ホップはヨーロッパの山地や、西アジアに自生していたとされており、雌雄異株の植物で雌株だけがビール生産用として栽培されています。

ホップは、1日に30cmも成長するほど生命力が強く、その蔓の高さは12mにまで及ぶこともあります。収穫時期は秋(9月)。

ホップには防腐作用があり、細菌や微生物の繁殖を防ぐためビールの長期保存に役に立ちます。
また、ビールに含まれる苦味もホップが出しているものでもあります。


■水
 ビールを構成する90%を占める水ですが、これはビールの味に多大な影響を及ぼします。
現在では、厳密な衛星管理がされている水道水を利用しています。
ブルワーはレシピにあわせて水の硬度を変えるなど、水質の調整して水を磨いています。


■酵母
 ウォート(麦汁)の中野等をアルコールと炭酸ガスに変え、独自の風味を出してくれるのが酵母です。

ビール醸造に使われている菌種は「サッカロマイセス・セレビシエ」で、ビールを作るために糖を食べるキノコとも呼ばれています。

現在では特性の異なる多数の酵母菌株を作り上げました。
アロマ成分を持つもの、味の特徴はないもののアルコール度数に耐える力を持つものまであります。
ブルワーのほとんどは研究所から酵母を調達しております。


■その他の材料
 ビールの風味を高めるために、ブルワーたちは様々なものを組み合わせようとします。

・糖類…アルコールの度数を高めるために使用されることが多いです。
また、カラメル風味などの糖を合わせることにより、その特徴の香りを得ることができます。

・樽で熟成…樹木由来の新鮮な風味をビールに染み込ませることができます。また、ウイスキーやバーボンなど、他のお酒を貯蔵していた樽を使用することも多いです。これらのお酒からくる濃厚な風味は、コクを与えてくれます。

・香辛料…コーヒー、ハーブ、様々なものを加えることができます。多くの場合はウォートに浸漬させる必要があります。

・果実…オレンジやチェリーなど、樽に入れて熟成させるビールがあるように、果物の風味を混ぜあわせるものもあります。
フランボワーズを加えるとアプリコットの香りが感じられるようです。

column
~穀物の種類~

・大麦
→世界で最も古くから栽培されている穀物。でんぷんが豊富で、たんぱく質が少ないという特性があります。この特徴はビール製造には理想的なものなのです。

・小麦
→一部のドイツスタイルビールの主原料です。爽やかなビールに仕上がります。

・ライ麦
→現在ビール作りに再注目を浴びている穀物です。昔ながらの伝統的なビールに使用されてきました。

・オート麦
→オートミールって食べたことありますか?
これを入れるとオートミールのようなクリーミーな味になります。

・モロコシ
→一部の国では地酒作りに古くから使われていました。グルテンフリーのビールの原料として活用されています。

・トウモロコシ
→昔から使われてきた原料です。他の穀物よりも低コストで、癖のないでんぷん源として普及しています。

・米
→ご存じの通り、日本酒などによく使われています。
一部のインダストリアル・ラガービールに使用されており、米を入れるとのどの渇きが増すなど特徴が際立ちます。

・キヌア
→これは穀物ではないのですが、このキヌアを使用することで、小麦で造ったビールに近い味わいかつ、グルテンフリーのビールを製造できるようになりました。

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