アビイビールは日本語にすると修道院ビールと呼ぶことがありますが、
この修道院ビールとはいったい何なのでしょう。
■アビイビールって知ってる?
実は、アビイビールという呼称は使用が規制されておりません。そのため、自由にこの名前でビール作ることができます。
宣伝広告やラベルに、ゴシック様式の教会や、修道士のの絵を使って、「本物の修道院ビール」をアピールしているものがありますが、
ごく一部の本物を除き、これらはただのマーケティング戦術の一つです。
■トラピストビール
厳律シトー会の修道士によって醸造、または指揮されたことを認証するロゴで特定ができるのが 『 トラピストビール』です。
修道士の平均年齢がかなり高いヨーロッパでは、
修道院の職員の手によって醸造されることが多いです。
■ベルギーのアビイビール
ベルギーと言えばビールと考える方も多いはず。
オルヴァル修道会などは、ヨーロッパ全土の技術と原料から生みだされたビールを醸造しています。
また、現存・過去に存在していたにかかわらず、修道院の名を付けることにより、醸造所はその”威光”にあやかっているとも考えられます。
フランス革命時に破壊された修道院の名を冠したビールもあり、
その修道院跡地から100km離れたところに醸造所があるなんてことも。
■日本では見たことがない?
日本でトラピストビール、アビイビールを見かけることはあまり経験がないです。
トラピストビールに限って言えば、世界的にもごく少数しか醸造所がないため、なかなか日本国内には入ってこないでしょう。
こんな例もあります。
『 ウェストフレテイン12』というトラピストビールがありますが、この銘柄は2005年にワールドベストビールに選ばれたという過去がございます。
しかし、この修道会は厳格な生活様式を守っているため、
小量しかこのビールを造っていませんでした。
価格も生産量も上げることなく、電話のみでの訪問受付・少量の修道院直売というスタンスを今も続けているため、我々日本人が口にするには少しハードルが高いと言えるでしょう。